忘却

くだらないです

不健康な他人

ぱきぱき音を立てて、たまに空気中に、灰が吹き飛んでく。まだ燃え尽きぬ薪の欠片も、ぽつりと落ちて、仲直り。室内は木材の湿った香りに、はるばるエチオピアから来たコオヒイ豆の香りやら、クミン、カルダモン、フェネグリィク辺りの、スパイスが煮詰まっ…

ペダル

「それでね、今は、自分のことがミックスベジタブルのニンジンか鼻糞くらいに…」「悪いけど、今は。頭の痛さが全体の感想を上回ってる」Hは路側帯、Aは歩道にそれぞれいたの。この時、周りにはHとAを除き一人の人間も、いなかった。「ねぇ私、あるいてる?」…

幸福な言葉たち

大なり小なり、いろんなサイズの自転車が、今も使われてるか、わからないやつも含め、ほとんど地面に横たわってる。前の日がすごい強風だったの。街中、洗濯物が散らばってたわ。二台くらいだけ、ちゃんと立ってる自転車があるの。Cは、自分の自転車のサドル…

ファミレスファイト

「ねぇ、私がどれだけいらいらしたか、わかった?」鼻の左側の穴を、左手の親指でほじくり、鼻毛に粘着した、鼻糞を、爪先で搔き出すK。そのついで、「わかったよ」って、唇を動かした。「あぁもう、なんなの」こいつ(S)は、この世界に向けて言ったのよ。…

ゆうこラジオ

カアテンはあけっぱなし。部屋の中は、ちょっと湿気ているわ。部屋は全部で六畳くらい。よくは知らない。Yは左腕を大きく湾曲させ、うつ伏せ。左腕がしびれそう。目をじっと、閉じたまま。『風変わりな女』が部屋中に流れ、はじめる(エリック・サティの)。…

新しい朝

Uは台所から取ってきた、マグの取手を、左手に握る。ちなみにこのマグ、三匹のペンギンが共にサアフィンしてる絵が描いてある。愉快ね。チェイサア用で炬燵の上に置いてあった水を、マグの中へ注ぐ。それから、炬燵の横で、横たわってる物体の。顔面のそば、…